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歯周病治療

ホームケアとプロケアから
歯周病を抑える

歯周病

歯周病をご存じでしょうか。
歯周病がどの様な病気かと聞かれれば、一言で言えば例えば次の様な答えが挙げられるかと思います。

  • 歯周病は炎症疾患である。
  • 歯周病は骨を溶かす病気である。
  • 歯周病は世界最大の感染症である
  • 歯周病は生活習慣病である。

ここではもう少し詳しく説明していきます。

歯周病とは

歯周病とは

歯周病は読んで字のごとく、歯周組織の病気です。別のページも書きましたが、歯周組織は歯肉、歯槽骨、歯根膜などが含まれます。
みなさんはひょっとすると口の中をみると歯と歯肉(歯茎)しか見えないので、歯周病と聞くと歯茎の病気と思われるかもしれませんが、歯周病が進むと、歯を支えているこれら全ての歯周組織がダメージを受けてしまいます。さらに腫れた歯肉は原因を除去すると元に戻りますが、炎症が進行して歯槽骨が吸収してしまうと基本的に元に戻りません。
歯周病の治療において大事なのは、原因となっているプラークや歯石を除去してその数を減らし(これをプラークコントロールと言います)で、進行する前にリスクを抑える予防治療を行うことと、進行しまった組織をそこで食い止めることです。

歯周病のかかりやすい位置

歯周病は読んで字のごとく「歯の周りの病気」なので、歯と歯肉の間である歯頸部からしか進行しません。
つまり、虫歯も歯周病もプラークが溜まりやすい場所から進行するので、ただ何となく歯ブラシしているだけでは防げないことが分かります。
逆に言えば、歯の表面に磨き残しがあっても、溜まりやすい好発部位がしっかりブラッシング出来ていれば虫歯や歯周病になりにくいと言えます。(プラークが溜まりにくい理由は唇が絶えず触れていたり唾液がよく流れやすいからと言われてます。)

歯周病と全身疾患

歯周病は炎症疾患であり感染症です。みなさんのお口の中には当たり前のように細菌が存在しおります。これらの細菌を常在菌と言いますが、健康な状態では体の免疫力で炎症反応は抑えられています。この細菌の量が増えすぎて体の免疫力よりも細菌の毒性が上回ると炎症が進行し歯周病になってしまうのです。

ときにこの毒性はお口の中の傷などから血管を通じて、全身に回っていき、それが思わぬ疾患に結びつくことがあります。

影響があると言われる全身疾患の例

  • Case01

    糖尿病

    歯周病によって起こる炎症は、血糖値を下げる作用を持つインスリンの働きを阻害するので糖尿病が悪化します。また、糖尿病があるとあごの骨の吸収が促進するので、歯周病も進行しやすくなります。

  • Case02

    早産・低体重児出産

    歯周病の炎症によってプロスタグランディンE2(PGE2)という物質が増加すると、子宮の収縮や子宮頸部の拡張が起こりやすくなります。このため、歯周病がある妊婦さんは早産や低体重児出産のリスクが上がります。

  • Case03

    心筋梗塞

    歯周病菌は動脈硬化を誘導する特徴を持っています。これによって血管の内部に沈着物が増えると、血流が悪くなって疾患のリスクが上がります。心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患の危険性も増大します。

  • Case04

    誤嚥性肺炎

    歯周病菌は動脈硬化を誘導する特徴を持っています。これによって血管の内部に沈着物が増えると、血流が悪くなって疾患のリスクが上がります。心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患の危険性も増大します。

歯周基本治療について

歯周病は気付かないうちに進行する特徴を持っているので、悪化してから歯科医院の利用を考える方が多い疾患です。歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位なので、症状がなくても歯科医院を定期的に利用して、予防や早期発見・早期治療に取り組むことが重要です。
歯周病が初期状態であれば、プラークコントロールを中心とする歯周基本治療で対応していきます。プラーク(歯垢)は細菌の塊で、虫歯や歯周病の原因菌を数多く含んでいるため、お口の中にできるだけ増やさないことが歯周病の予防や治療に直結するのです。

  • PMTC(歯のクリーニング)

    PMTCは「歯科医療のプロが専用の機械を使って行う歯のクリーニング」と訳すことができます。日常のセルフケアは重要ですが、除去しきれない歯垢がありますし、歯石も蓄積していくので、定期的にPMTCを利用して歯垢や歯石を除去しましょう。

  • スケーリング・ルートプレーニング

    スケーリングとは歯石を除去する処置です。歯石は歯周病の要因ですが、歯磨きでは取れないので歯科医院で除去する必要があります。一方ルートプレーニングとは、歯の根まで歯石を除去し、表面を磨いて汚れがつきにくくするための処置です。

  • 嚙み合わせの調整

    かみ合わせが悪いと、歯ぐきの特定部位が負荷を受けて、歯周病が悪化しやすくなります。そのため、状態が悪い詰め物・被せ物を作り直したり、マウスピースを使って歯ぎしりや食いしばりを抑制したりすることも歯周病治療の一環として行っています。

  • ブラッシング指導・生活指導

    歯周病を改善するには歯垢や歯石をためないことが必須なので、それぞれの患者様の磨き残しを無くすブラッシング指導を行います。また、歯周病は感染症の一種なので、生活習慣を見直して免疫力を高めることも治療として軽視できない要素です。

歯周外科治療について

フラップ手術

歯垢や歯石は歯周ポケットを形成して、どんどん深いところにもぐっていきます。
そのようにして歯の根に付着すると、歯周病による歯周組織の破壊はさらに進行し、やがて歯槽骨が溶けて歯を支えきれなくなります。とはいえ、歯の根の深い部分に感染物質が大量にある場合は、スケーリング・ルートプレーニングだけでは十分な対処ができません。そんな時行うのが、「フラップ手術」です。フラップ手術は歯肉を切開して歯根にアクセスしやすい状態を作ってから、歯根を徹底的にきれいにする外科的な処置です。

歯周再生療法

歯周病は、歯周組織である歯根膜や歯槽骨を破壊する疾患です。歯周基本治療は歯垢や歯石を除去してお口の状態を改善しますが、失われた歯周組織を取り戻すことはできません。そのため、歯周病によって歯槽骨へのダメージが大きい場合、インプラントを埋め込むことは難しいと判断されるケースもありました。しかし、歯周再生療法が開発されてからは、歯周病によって溶かされた歯槽骨をある程度再生することができるようになっています。
当院では、以下のような症例に対して歯周再生療法の適用を検討します。

治療期間
6か月程
治療回数
1回
  • 歯周病による歯のぐらつく
  • 抜歯を避けたい
  • 顎骨が痩せ、歯並びが乱れた

歯周組織再生療法で使用する薬剤

  • リグロス

    まずフラップ手術を行って歯根に付着した歯垢や歯石を丁寧に取り除き、歯槽骨を再生したい部分にリグロスという薬剤を塗布します。すると数ヶ月程度の期間をかけて、少しずつ歯周組織が再生していきます。

  • エムドゲイン

    エムドゲインは歯周再生療法に使用する薬材の名称で、エナメルマトリックスタンパク質という成分を多く含んでいます。これによって高いレベルで歯周組織の再生を実現することができます。

  • バイオス

    バイオスは骨補填材料の一種で、歯周病などで失われた骨の再生に利用されます。また、ブリッジをつけると歯肉が刺激を受けなくなって骨が痩せるので、インプラント治療のためにバイオスで再生することもあります。

歯周組織再生療法のメリット・デメリット

Merit
  • 骨の再生が見込めるため歯周ポケットが浅くなります
  • 合併症のリスクが低くなります
Demerit
  • 自費診療のため、保険の治療に比べると費用がかかります
  • 症例によってては適応できません
  • 効果には個人差があります
  • 歯周組織の再生には時間を要します

歯周病の予防について

歯周病の予防で重要なのは、毎日のセルフケアと定期的なプロケアを両輪で進めていくことです。そのため、まず当院にお越しいただいて状態を確認することから始めましょう。磨き残しのクセがわかれば、それを改善するブラッシング指導ができますし、日常生活へのアドバイスなども提供しています。

予防歯科

費用について

歯周組織再生療法

エムドゲイン ¥33,000
バイオス ¥55,000

デンタルローンについて